伝わる図面の描き方:導入編 -製図でお悩みの方はこれで解決!-

設計の基礎

2020/10/12

加工メーカーに依頼をする際には図面が必要です。近年では3D CADの普及により、製品の形を3次元データで表現できるツールも増えてきました。そのため、金属加工に利用する紙に描かれた二次元図面は昔から存在している「古いモノ」、「必要ないモノ」という印象を持つ人もいるようです。

しかし、実際に加工する際や部品製造の打ち合わせの際には、3D CADでは表現できない『公差』や表面の『加工精度』を設計者から加工担当者に伝えるため、加工担当者から加工の方法や機材の制限による設計変更依頼を設計者に伝えるため、今も二次元の図面が欠かせないケースが多くあります。

この記事では、なぜ今でも図面が必要なのか、図面を描く目的や、加工メーカーのエンジニア(加工担当者)に伝わる図面とはどんなものか徹底解説します。

図面を作成する目的とは?

図面は設計者が自分が作りたい物の形を、第三者に正確に伝えるためのツールです。それならば3Dで作ったバーチャルの形状でも十分だと思うかもしれません。確かに3Dのバーチャル形状は、イメージを伝えるためには非常に役に立ちます。しかし、細部の仕様や、絶対に守ってほしい条件などを記述することができません。

一方で、二次元図面は契約書のようなものです。契約書には独特の構文があるのと同じように、図面にも独特のルールがあります。細かい部分や、守るべき内容の取り決めを設計者と加工担当者間で誤解することがないよう、記号を利用して記載します。

次の章では図面に求められるポイントを解説します。

図面作成のための基礎知識

図面は設計者の意図を加工担当者をはじめとした第三者に伝えることが主な目的です。

そのため、次のような条件を守る必要があります。

・作図の基本を遵守する
・形状が加工担当者に伝わりやすいように留意する
・加工を検討するために必要な寸法、公差、精度を記入する

この3つの条件を全て書き込んだ図面の例とわかりやすい図面を描くコツを以下にあげます。

作図の基本


このような物の場合、以下のような図面を書き起こしてください。

上部から見た図

 

側面から見た図

 

断面図

また、必要に応じて断面図や底面から見た図など必要になる場合もあります。
そして、図面に引いていく線に関しても、以下のような決まりがあります。

・見えている線は実線(太線)
・見えていない線は点線(細線)
・円や円弧の中心線は一点鎖線(細線)
・断面図の切断面には斜線を入れる(細線)
・図は部品と同じ寸法、または一定の縮尺で描く

また、複雑な形状の物の場合は、加工者に伝わりやすくするため、下記のように寸法を入れずに見やすくした図を入れておくなどするとよいでしょう。

また、不必要に制作物を回転させた図や書き入れる必要のない部品を図の中に入れ込んでしまうと、わかりずらくなってしまうので避けましょう。

寸法の入れ方の例

「必要な寸法」が記入された図面とは、図面に描かれている寸法をたどれば、部品の形状を表す線が全て正しく再現できる図面のことです。

 

また、以下の点に注意して図面を書き起こしてください。

・寸法は㎜で書く
・寸法線、数値、寸法補助線は細い実践で書く
・寸法線の両端には矢印を書く(矢印の開きは30°くらい)
・寸法となる点や辺から引く

寸法を入れ終わったら、記入した数字によって決定される形状線を一つ一つチェックし、全ての形状線にチェックが入るか確かめましょう。

図面に利用する記号

図面には基本的に全ての寸法を記入しますが、例えば円弧や円筒の形状、ネジの形状など、よく使われる形状については、記号で表記する方法があります。

寸法補助記号の例

記号  記号の意味  呼び方 
R  半径  あーる 
Φ  直径  まる・ふぁい 
  正方形  かく 
  球の直径  えすまる・えすふぁい 
SR  球の半径  えすあーる 
t  厚み  てぃー 
C  (45°の)面取り  しー 
M  ネジの大きさ  えむ 

ネジの表記

 

同心円の表記

 

また図面には図枠が用いられます。図枠とは、図面の用紙に図を描く範囲を示した額縁のようなものです。図面の右下には表題欄が設けられるのが普通です。

表題欄には決まった形式はありませんが、図面に描かれている部品の名称や番号、何枚中何枚目の図面であるかを示す数字、投影法、縮尺、材質、図面を描いた担当者の名前などが描かれます。

図面を描く方法(ソフトウェアの紹介、手書きで押さえるポイント)

図面を描く際には専用のソフト(CAD)を使うケースがほとんどです。しかし、専用のソフトを導入したり操作を習得するのが難しい場合には、手描きでも大丈夫です。これまでに紹介してきたルールに従って方眼紙などを利用して描くと、手描きでも伝わりやすい図面になります。工業系の学校での製図の授業や企業の研修などでも、最初は勉強のために手描き図面からスタートするケースもまだまだ多くありますので、まずは図面に慣れるという意味でも手で図面を描いてみるのもいいかもしれません。あまり数は多くありませんが、器用な人ならば、エクセルやパワーポイントの描画機能を使って描く人もいるようです。このようなツールを使う際には、図の大きさが部品と同じか、一定の縮尺であることに気をつけながら図を描きましょう。

また専用のCADでも、『Fusion360』(オートデスク株式会社)、『 AutoCAD 』(オートデスク株式会社)など、利用範囲に限りはあるものの、無償で使えるソフトもあります。これらのソフトは、多くの加工メーカーで使うソフトと互換性がありますので、メーカーに加工を依頼する際、メールなどでやり取りをするのにも非常に便利です。 

有料にはなりますが、『 Solidworks 』(ダッソー・システムズ株式会社)や『Inventor 』(オートデスク株式会社)といったプロ向けのCADツールもあります。無料トライアル期間が設けられているものもありますので、購入の際には事前に使い心地を試してみるといいでしょう。 

まとめ

分かりやすい図面は、協力加工会社とのやり取りをスムーズにしてくれます。ファクトリーエージェントでは、業界に精通しているエージェントが条件に合う依頼先探しの相談にのることもできますので、どのようなメーカーなら加工をしてくれるのか分からず困っているときでも、まずは図面を描いて相談してみてください。

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