伝わる図面の書き方:応用編(公差) -製図でお悩みの方はこれで解決!-

設計の基礎

2020/10/12

図面は、加工メーカーに依頼をする際には欠かせません。図面を分かりやすくするためには、関係が薄い部品は別の図面に表記するのが基本です。しかし、実際に製造される部品で、単一部品からなるものはあまりありません。 複数の部品を組みあわせ、機能を持たせるケースの方が多いでしょう。この記事では、特によく使われる板金加工と切削加工を例に、部品どうしの組み合わせの公差や、組図(アセンブリ図)の活用について解説します。

一般公差(普通公差)とは

図面では部品の寸法を指示します。しかし加工には誤差があり、例えば「60mm」と指定していたとしてもちょうど60mmに仕上げることは困難です。同じような条件で加工したとしても、60.05mmで仕上がることもあれば59.92mmで仕上がることもあります。このように、意図的ではなく誤った加工をしているわけでもないのに、自然に発生する寸法のズレを誤差と呼びます。そのため許容できる誤差の範囲を定めます。これを「公差」と呼びます。

誤差は加工方法や元の寸法によって変わります。そのため「この加工で、これくらいの大きさのもの加工をしたら、だいたいこれくらいの誤差が出るから、この範囲は許容しよう」という値があります。これを一般公差(または普通公差)といいます。部品の設計を行う際には、一般公差によるバラツキを考慮しながら、形状を決定しなければいけません。

しかし、例えばガタつきのない精密な噛み合わせが必要な場合など、交差をできる限り小さくしたい場合もあります。そのような場合には、一般公差を使用せず、設計上許容される交差を図面で指示します。すると加工メーカーでは必要に応じて加工方法を変えるなどの工夫をし、一般公差よりも精度の高い公差で寸法を仕上げてくれます。ただしそれに伴い、コストも上がるのが一般的です。ですから、どうしても必要な部分以外は、できるだけ一般公差を使用するようにしましょう。

一般公差は加工方法と元の寸法、それから等級によって決定します。次章からは、加工方法や形状による寸法公差を紹介します。

板金加工における寸法公差

・切断、穴あけの一般公差

板金加工において、切断や穴あけといった加工は「打抜き」と呼ばれます。打抜きの一般公差は下表のとおりです。

 

打ち抜き(形状カット)の寸法公差(JIS B0408-1991) 単位:㎜

おおよその感覚としては手の上に乗る150mmくらいの部品では、±0.5mm程度の公差を考えておくといいということになります。

一方でA4のノートくらいの大きさの板金部品では、±0.8mm程度の公差を見込む必要が出てきます。

 

・曲げ加工における一般公差

曲げや絞りなどの加工における一般公差は、下の図の寸法について定められたものです。
100.0㎜でB級のものである場合の記入例になります。

一般公差は下表のようになります。

 

曲げ・絞り加工の寸法公差(JIS B0408-1991) 単位:㎜


誤差の性質として、元の寸法が大きくなればなるほど誤差も大きくなります。また曲げ加工や絞り加工の場合、寸法が大きいものは、より厚い板を使う傾向が強いことからも、曲げの寸法誤差はより大きくなります。おおよその目安として、片手で持てるくらいの大きさの曲げ部品では±1mm程度の公差になります。A4のノートくらいの大きさの部品の場合は、±2.5mmとやや大きくなってきます。

 

板金における板、部品同士の接続方法

板金加工を応用し、板金部品同士を接続する方法を紹介します。

・ネジ止め

 

板金の場合、雌ネジを切ってある部品に対し、ネジを通す穴をあけた部品を重ね、ネジ(と場合によってはワッシャー)で締めて固定します。

ネジの太さに対してネジを通す穴の径をギリギリにしすぎると、穴寸法の公差により、ネジが通らない可能性があります。また公差による穴の位置ずれにも注意が必要です。そのような寸法公差を考慮し、ネジを通す穴の径は少し大きめにするようにしましょう。

これまでにも例に出してきたような、手の上に乗るくらいの大きさの部品であれば、ネジを通す穴はネジの太さに対し±0.5mm程度の公差をみておくのが目安です。

 

切削加工部品における公差寸法

・加工された部品の長さ寸法に対する一般公差

切断や穴あけなどによって加工された部品の長さ寸法に対する一般公差は下記のようになります。

 

1.面取り部分を除く長さ寸法に対する許容差(JISB0405-1991) 単位:㎜

2.面取り部分の長さ寸法(かどの丸み及びかどの面取り寸法)に対する許容差(JISB0405-1991) 単位:㎜

※0.5㎜未満の基準寸法に対しては、その基準寸法に続けて許容差を個々に支持する。

 

つまり、片手に乗るくらいの大きさの部品を切り出した際の寸法公差は、中級で±0.2mm程度になります。このように切削加工品の場合には、板金加工とは異なった寸法公差が適用されます。

 

・ベアリングやピン、その他部品の圧入、ネジ固定部における一般公差

穴と軸には「はめあいの公差」が適用されます。

例えばペン立てにペンを立てるように、穴と軸の組み合わせに余裕がある場合には、双方の公差は大きめに取られていても全く問題はありません。一方でイヤホンジャックのように人の手の力で容易に抜き差しはできるもののピッタリとした穴と軸の組み合わせもあります。また、ひとたび差し込んだら人の手の力ではかんたんには抜けない関係にする必要がある場合もあります。このような場合には穴と軸の公差も厳しくなってきます。

そのためこのような場合には「どれくらいのキツさではめ込むのか」と、軸や穴の大きさで公差が決められています。これを「はめあいの公差」といいます。

よく使われるはめあいの公差の例を下記に示します。

 

穴の公差クラス

 

軸の公差クラス

例えばベアリングのように、しっかりとはめ込まれ、そう簡単には動かないような穴と軸の組み合わせは、おおよそ「g6、H7」あたりがつかわれます。そうすると、Φ10の場合、軸には-6~-17mm、穴には+0.18mmの公差が適用されます。一方でΦ30くらいになると軸には-9~-25mm、穴には+0.28mmの公差が適用されます。

 

板金でも例に挙げたような、ネジを通す穴の場合、M3くらいまでのネジであれば穴直径に0.1mm程度の公差をつけるといいでしょう。つまり、M2ネジに対してはΦ2.2の穴、M2.6のネジに対してはΦ2.8の穴、M3のネジに対してΦ3.2の穴くらいが目安になります。M4~M8程度のネジに対しては穴直径に0.2mm程度の公差が望ましい値になります。

まとめ

モノ造りに関わる基準値「公差」を理解し適切に記入することで、協力加工会社様とのスムーズなやり取りや効率よく仕事が行えます。

 

また、ファクトリーエージェントでは業界に精通しているエージェントによるマッチングで、条件に合う依頼先を探します。描いた図面をもとに、気軽に相談をしてみてください。

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