アルミの特性と種類、アルミ加工の特徴について解説!

材料の基礎

2021/01/18

他の金属に比べて非常に軽いことが特徴のアルミは、1円玉やアルミ缶、アルミホイルなどの様々な形に加工されて私たちの身の回りに存在しています。アルミの持つ特性や加工上の特徴について知っていれば、アルミ製品を制作する時に、その価値を最大限に引き出すことができるでしょう。本記事では、アルミの特徴や種類、アルミを使うことのメリット・デメリットについて徹底解説いたします。

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アルミの特性

アルミは一般的に加工がしやすいと言われています。それに加えて、金属材料として優れた特性を持っているため、私たちの身の回りにはたくさんのアルミ製品が存在しているのです。まずは、アルミがどのような特性を持った金属なのかを理解していきましょう。

 

非常に軽い
アルミは、比重が2.7と非常に軽い金属です。鉄の比重は7.8、銅の比重は8.9であり、それらに比べてアルミは約1/3の重さとなっています。アルミの軽さを最大限活かしたものとしては、スマートフォンがあります。スマートフォンのボディはアルミで作られたものが多く、その軽さによって容易に持ち運びができるようになりました。他にも、自動車や飛行機の部品などとして活用されて燃費向上に役立てられています。

 

通電性が高い
アルミは電気伝導率が高く、エネルギーやエレクトロニクス分野でよく使われています。同じく電気伝導率が高い金属としては銅がありますが、同じ重さで比較するとアルミの方が良く電気を通します。

 

熱伝導率が高い
アルミの熱伝導率は鉄の約3倍であり、熱をよく伝えるため、熱しやすく冷めやすいという特徴があります。鍋などの調理器具でもアルミがよく使われており、他にもエンジン部品や冷暖房機器、ヒートシンクと呼ばれる放熱部品などで、アルミは幅広く活用されています。

 

耐食性が高い
金属は一般的に腐食に弱いとされており、特に鉄などは時間が経つと茶褐色になって見た目も悪く、強度や耐久性にも影響がでてしまいます。しかし、アルミは酸化皮膜と呼ばれる膜を自ら生成することで錆の発生や腐食を自然に防ぐことができる金属です。この耐食性の高さを活かして、建築物や船などで活用されています。また、アルマイト加工という表面処理を行うことで、耐食性を更に強化することも可能となっています。

 

非磁性
アルミは非磁性体で磁気を帯びないため、電子医療機器やメカトロニクス機器、リニアモーターカーなどの磁気が悪影響を及ぼすものによく使用されます。他の非磁性体としては金や銀、銅がありますが、アルミはこれらの金属と比べて流通量も多く安価なので、アルミの使用率が高くなっています。

 

溶解しやすい
アルミは融点が約660℃と金属の中では相当低く、鉄(約1,530℃)や銅(約1,080℃)に比べると溶解しやすい材料です。その特徴から、溶かした金属を金型に流し込み任意の形に固める鋳造加工では、融点が低いほど金属を溶かすためのエネルギーが抑えられるため、アルミがよく使われています。

 

リサイクル性が高い
アルミは耐食性が高くて品質が落ちにくいことと、溶解がしやすいことから、使用後のアルミ製品を溶かして再利用することができます。リサイクルに必要なエネルギーは、新しく金属材料を作るためのエネルギーに比べてわずか3%で済むことから、経済的かつ環境に優しい金属であると言えます。

 

反射性に優れる
表面が磨かれたアルミは赤外線や紫外線、電磁波といった光や熱をよく反射します。鏡面加工を行ってその特性を一層高めることで、暖房器具や照明器具の反射板、エレクトロニクス製品において多く使用されています。

アルミ合金の種類と特徴

アルミには優れた特性がありますが、純度の高いアルミは強度が弱いため、加工後の製品に求められる耐久性を満たせない可能性があります。そこで、アルミの欠点を補うために様々な合金成分を加えたアルミ合金が生み出され、用途に合わせて使い分けられるようになりました。アルミ合金は、アルミの頭文字のAの後4桁の番号を付けた「番手」で呼ばれており、主要な番手とその特徴を紹介します。

番手 化合物 特徴 主な用途
1000番台

(A1100・A1050等)

なし 純度99%以上のアルミで、純アルミと言われます。加工性・導電性・熱伝導性・耐食性に優れる一方で、強度が低くなっています。 1円硬貨、反射板、照明器具、放熱部品等
2000番台

(A2017・A2024等)

銅(Cu) 強度を向上させるために銅(Cu)を多く含んでいます。強度が高く切削加工に向いている一方で、銅が多く含まれることにより耐食性が劣ります。

ジュラルミンと呼ばれる強度の高いアルミ合金は2000番台です。

航空機部品、輸送機器、ねじ・ギア部品等
3000番台

(A3003等)

マンガン(Mn) マンガン(Mn)を加えることで、純アルミの耐食性を維持しつつ強度が上がっています。 一般器物、建材、アルミ缶等
4000番台

(A4032等)

シリコン(Si) シリコン(Si)を加えることで、耐摩耗性や耐熱性を向上させた番手です。 ピストン、シリンダーヘッド等
5000番台

(A5052・A5056等)

マグネシウム(Mg) マグネシウム(Mg)を加えることで、強度・耐食性・溶接性・加工性を高めています。切削加工の材料としてはこの番手が主流となっています。 調理器具、船舶部品、建材等
6000番台

(A6061・A6063等)

マグネシウム(Mg)・シリコン(Si) マグネシウム(Mg)とシリコン(Si)を加えることで、強度を上げつつ耐食性も向上させた番手です。構造材料としての活用が多くなっています。また、押出成形の材料としてもよく使用されます。 建材、輸送車両や船舶の構造材等
7000番台

(A7075等)

亜鉛(Zn)・マグネシウム(Mg) 亜鉛(Zn)とマグネシウム(Mg)を加えた合金で、熱処理をすることによってアルミ合金の中では最高の強度を持つようになります。A7075は超々ジュラルミンと呼ばれ、現存するアルミ合金の中では最も強度の高いものです。 航空機部品、自動車部品、スポーツ用具等

 

アルミの加工上の特徴

金属材料としてのアルミの特性についてはすでに紹介しましたが、アルミを加工するとなった場合は、どのような特徴があるのでしょうか。次は、アルミの加工上の特徴について紹介します。

 

塑性加工がしやすい
アルミは簡単に折り曲げたり、丸めたり、筒状に伸ばしたり、潰して薄くしたりすることができます。このように、塑性加工がしやすくて様々な形状に成形することができるのがアルミの特徴です。私達の身の回りにも、紙のように薄いアルミホイルや、複雑な形状を持つアルミサッシなど、様々な形に成形されたアルミ製品が数多く存在しています。

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切削加工がしやすい
アルミは被削性が高い金属であり、切削加工にも適しています。板材を切ったり曲げたりして形を作るプレス加工や板金加工に比べると、切削加工は板材や丸棒から削って形を作るため、形状の自由度が高く、複雑な製品を制作することが可能です。また、金属を切削加工していると、加工熱が発生することによって歪みが発生しやすくなったり、工具が摩耗したりするという欠点がありますが、アルミは熱伝導率が高いことから熱が逃げやすくなっており、上記のような切削加工の欠点を抑えることができます。

◆切削加工についてはこちらへ
>切削加工とは?加工のプロが基礎から実践的なポイントまでご紹介

 

様々な方法で接合できる
アルミは、リベット接合などの機械的な接合、接着接合、溶接などの様々な方法を用いて接合することができます。主流は溶接による接合ですが、製品形状や仕様に応じて接合方法を選べるというのはメリットだと言えるでしょう。また、接合することを前提とした比較的自由な製品設計が可能であることもメリットとなっています。

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>溶接の基礎知識!溶接の種類やメリット・デメリットを解説

金属加工でよく使われるアルミ材の形状

アルミ材は板や棒などの様々な形状に加工された状態で流通しており、金属加工を行う際にはそれらを必要な量だけ手配してから、更に加工をすることになります。この章では、アルミがどのような形状で流通しているのかをみてみましょう。番手によっては入手できる形状が制限される場合もあるため、実際に入手しようとする際には注意してください。

 

板材
板材は、プレス加工や精密板金加工で使用されており、番手の選択肢が最も多い形状の1つです。400mm×1,200mmや1,000mm×2,000mmといった、「定尺材」と呼ばれる規格サイズで販売されるのが一般的です。他にも、板をロール状に丸めて販売される「ロール材(コイル材)」や、細かい穴の開けられた「パンチングメタル」、模様の入った「縞板」といった形でも流通しています。板の厚みは0.3mm〜6mmが一般的ですが、特殊な用途では0.1mm以下や10mm以上のアルミ板も存在しています。

 

丸棒
丸棒は、幅広い用途で活用される形状であり、アルミ板材と同様に番手の選択肢が多くなっています。流通している丸棒は板材と同じく外径の大きさと長さがある程度規格化されており、入手性が高くなっています。

 

角パイプ
角パイプは、建築資材や機械部品、DIYの材料として広く使用されています。断面が正方形の形状をした「角パイプ」と、長方形の形状をした「平角パイプ」があり、使用用途に合わせて使い分けられています。表面処理がされてツヤのあるものやブラックに着色されたものなど、美しい外観の角パイプも流通しており、バリエーションが豊富です。

 

丸パイプ
丸パイプは、丸棒の中心が中空となったものです。大きく分けると、「押出材」と「引抜材」の2種類あります。押出材は、金型に材料を押し込んで、ところてんのように出てきたものを切り出していく方法であり、比較的安価ですが寸法精度は荒くなります。引抜材は、押出材を母材として材料を更に引き伸ばして成形するもので、工数が増えるため高価になりますが、寸法精度が高く、美しい表面に仕上がります。

 

アングル・形材
建築資材や機械や装置のフレーム、構造物の補強、DIYの材料として幅広く使用されるL字型の形状をアングルと呼んでいます。押出材の1種で、等辺、不等辺のタイプや、L字でなくCやEの形をしたものもあり、更に表面処理の有無も考慮すると非常にバラエティに富んだ形態となっています。

アルミを使うメリット、デメリット

最後に、金属加工でアルミを使うことのメリットとデメリットをまとめます。アルミの特徴や加工上の特性の章で触れた通り、アルミは優れた特性と加工性を兼ね備えた金属です。ただし、アルミを使うメリットがたくさんある一方で、デメリットも存在します。メリット・デメリットの両方を理解したうえで、アルミを使用するようにしましょう。

 

メリット

  • 非常に軽いため、製品の軽量化に貢献する
  • 軽さの割に強度が高く、コストパフォーマンスが良い
  • 腐食しにくく、表面処理によって耐食性をより強化することが可能
  • 加工性が高く、様々な加工方法によって任意の形状に成形できる
  • 通電性や熱伝導性が高く、銅などの高価な金属材料の代わりに使用できる
  • リサイクル性が高く、経済的・環境的に優しい素材である

 

デメリット

  • 鉄やステンレスに比べると強度が低い
  • 柔らかいため傷やへこみがつきやすく、取り扱いに注意が必要
  • 融点が低いため溶接時に溶け落ちてしまいやすく、表面精度の高い溶接には技術力が必要

まとめ

この記事では、アルミの金属材料としての特性や種類、加工上の特徴、アルミ加工のメリット・デメリットなどについて紹介しました。この記事を読んで、アルミ加工についての理解を深めていただけたら幸いです。

アルミは加工性の高い金属ではありますが、自前で加工するには取り扱いが難しい部分が多い素材でもあります。『ファクトリーエージェント』であれば、発注先選びや相見積もりが簡単にできるサービスですので、アルミ加工についての発注業務をスムーズに行うことが可能です。複数社から用途に合った技術や経験を持った加工会社を選択できますので、まずはこちらからお気軽にお問合せください。

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