溶接の基礎知識!溶接の種類やメリット・デメリットを解説

その他金属加工の基礎

2021/01/18

溶接は、金属同士を接合させる代表的な加工方法として、自動車や船舶、電子機器、建築資材などのあらゆる製品を制作するために使用されています。一口に溶接といってもその種類は多岐に渡っており、どんな溶接方法があるのかを知っておけば、金属製品を制作するうえで役に立つことは間違いありません。 この記事では、溶接の基礎知識として知っておくべき代表的な溶接方法や、他の接合方法と比較した溶接のメリット・デメリットなどについて解説いたします。

溶接とは?

日本産業規格(JIS規格)によると、溶接とは、2個以上の母材を,接合される母材間に連続性があるように,熱,圧力又はその両方によって一体にする操作」と定義されています。金属加工においては、この定義でいうところの母材が金属のこととなります。端的に言うと、「2個以上の金属を、溶かすか圧力をかけて接合することで1つにする加工方法」と考えておけばよいでしょう。

溶接は、融点に達すると溶け始めるという物質の性質を利用しています。「加熱・加圧することによって2つの金属の接合部分を一部溶かした後に冷却し、1つに接合する」というのが、溶接の基本的な仕組みです。

金属の融点は鉄で約1,530℃、銅で約1,080℃といったように非常に高く、溶接はそれほどのエネルギーを利用するため、手作業で行う職人には数年にわたる技術と経験が必要と言われており、金属加工の工程においては特に技術力の差が出てくる分野と言えます。

溶接の種類

溶接の種類は、大きく分けて「融接」「圧接」「ろう接」の3つに分類されています。母材となる金属や接合条件、製品仕様に合った溶接方法を選定することが、溶接の品質を高めるうえで重要なことです。それぞれどのような溶接方法なのか、詳しくみていきましょう。

融接

融接とは、2つの金属の接合部分を溶かすか、外部から溶けた金属を加えた後に、溶けた金属部分(溶融金属)が冷却されて凝固することによって接合する方法です。外部から加える溶けた金属のことは、溶加材と呼んでいます。溶接と言われると、融接のことをイメージするほどメジャーな溶接方法です。

融接に分類されている溶接方法の中で、よく行われているのが「アーク溶接」「ガス溶接」「レーザー溶接」です。それぞれの特徴を紹介します。

 

アーク溶接
アーク放電という、強い光と熱を発する放電現象を利用した溶接方法です。アーク放電で発生する熱は中心部で約16,000℃、外周部で約10,000℃と言われており、融点が高い金属であっても一瞬で溶かすことができます。アーク溶接では、溶接機とつながった電極(溶接棒またはワイヤ)を接合部分に擦りつけることによってアーク放電を発生させ、金属を溶かしていきます。

アーク溶接には、アークを発生させるための電極・使用するガス・溶加材の違いにより種類が分けられ、代表的なものにMAG溶接・炭酸ガス(CO2)溶接・MIG溶接・TIG溶接などがあります。

アーク溶接は、適切に溶接ができれば高い強度で溶接ができるため、あらゆる金属構造物に利用されています。しかし、強い光を発するため接合部分が見えづらく、金属を溶かしすぎて穴が空いてしまう場合があるなど、高い品質で溶接するためには技術力が必要です。

 

ガス溶接
ガス溶接では、可燃性ガスと酸素が結びついて燃焼する際に発生する熱を利用し、金属を接合します。アーク溶接のように一瞬で高い熱が発生するわけではないため、作業時間が長くなるというデメリットはあります。一方で、アーク溶接のような強い光が発生しないため、接合部分が見えやすくて溶接不良を起こしにくいことや、温度調整がしやすいため金属が溶けすぎるのを防げるといったメリットがあります。

 

レーザー溶接
レーザー光を照射することによって金属を溶融させ、接合することをレーザー溶接と呼んでいます。微小なレーザー光を照射するため、局部的で微細な溶接が可能となっており、精密機器などの溶接によく用いられています。アーク溶接やガス溶接と比べると熱量が少なく、変形や歪みを軽減できるというメリットもあります。ただし、一般的にレーザー溶接機は高価であり、高額な設備投資が必要になるというデメリットもあります。

レーザー溶接には、レーザーを取り出す媒質により種類が分けられ、代表的なものにはCO2レーザー・YAGレーザー・ファイバーレーザーなどがあります。

圧接

圧接は、正式には「加圧溶接」と言われます。金属の接合部を電気や摩擦によって加熱し、圧力を加えて接合する方法です。機械によって圧力を加えるのが一般的であり、数値制御ができるので作業者の熟練度に左右されず、品質を一定に保ちやすいのが特徴となっています。

圧接の種類としては、ガス圧接、摩擦圧接、超音波圧接など様々なものがありますが、ここでは代表的な抵抗溶接について紹介します。

 

抵抗溶接
抵抗溶接は、重ね合わせた母材の接合部分を電極で挟み込んで電流を流し、電気抵抗によって発生したジュール熱で溶融接合する方法です。接合部分が点である「スポット溶接」が広く普及しています。短時間で溶接できることから大量生産に向いており、自動化もしやすいため、製造ライン内でよく活用される溶接方法です。母材の板厚が厚いと溶接が不十分で強度が低くなりやすいため、薄い板の溶接に適しています。

ろう接

ろう接は、母材よりも低い温度で融解する溶加材で接合する方法です。融接や圧接とは異なり、母材自体は溶かさずに接合するのが特徴となっています。反面、母材同士が接合していないため強度的には他の溶接方法に比べると劣る傾向にあります。

ろう接は、溶加材の融点の違いによって「ろう付け」「はんだ付け」の2種類に更に分かれています。

 

ろう付け
融点が450℃以上の溶加材を利用してろう接を行います。ろう付けで使用される溶加材は硬ろうと呼ばれており、アルミろう・銀ろう・銅ろうなどが用いられています。融点が高いため、ガスバーナーや加熱炉で溶加材を溶融して接合します。はんだ付けに比べると接合強度が高いのが特徴です。

 

はんだ付け
融点が450℃以下の溶加材を利用してろう接を行います。はんだ付けで使用される溶加材は軟ろうと呼ばれており、亜鉛・錫・鉛などが用いられています。はんだは導電性が高いため、電子部品などの組み立てやプリント基板の実装方法といて広く普及しています。

溶接を行うメリット・デメリット

金属同士を接合する方法としては、溶接の他にも機械的接合や化学的接合といった方法があります。機械的接合は、ボルトで締めつける、リベットを通して潰す(かしめる)といった物理的な加工で2つ以上の金属をつなぎ合わせる方法です。化学的接合は、接着剤を使った接合といえば分かりやすいでしょう。

これらの接合方法と比較して、溶接を行うことによるメリット・デメリットをまとめています。接合方法を検討するうえでの参考にしてください。

溶接を行うメリット

  • 簡単に接合したり、強度を高く接合したりできる
  • やり方によっては、気密性、水密性を得ることができる
  • 接合するための余分な部品が増えず、コストダウンにつながる
  • 製品重量が増えず、組み立ての手間も削減できる
  • 接合できる形状の自由度が高い

 

溶接を行うデメリット

  • 高温や高圧によって母材の変形や歪みが発生するため、寸法精度の維持が難しい
  • 溶接作業のミスによって破損や欠陥が生じる場合がある
  • 一度溶接で接合してしまうと、破壊しないと解体ができないことが多い
  • 材料によっては、溶接の影響で強度が下がったり特性が変化したりする場合がある

溶接記号表

製品を作る際に溶接を行う必要があれば、設計図面に溶接記号を書くのが一般的です。溶接記号はJIS  Z 3021によって規格化されており、溶接の種類や形状、寸法、溶接後の表面形状や仕上げ方法といった指示が示されています。

溶接作業者に正確に指示を出すためには、溶接記号の書き方を正しく理解して図面に記載しておく必要があります。溶接記号が設計図面に記載されていなければ、設計者の意図しない溶接による不具合が発生してしまうかもしれません。溶接が必要な製品を制作する際には、注意するようにしましょう。

まとめ

この記事では、溶接という接合方法の概要や、主要な溶接方法の仕組み、溶接を行うメリット・デメリットについて解説をしました。この記事を読んで、溶接についての理解を深めていただけていたら幸いです。

溶接は金属を接合するための代表的な加工方法ではありますが、非常に奥が深い技術でもあり、間違った加工会社選定をしてしまうと溶接不良に悩まされる可能性もあります。『ファクトリーエージェント』は、溶接技術に秀でた加工会社選びや相見積もりが簡単にできるサービスとなっており、発注業務をスムーズに行うことが可能です。制作したい製品形状や材質、実施する溶接方法に合った技術や経験を持った加工会社を選択できますので、まずはこちらからお気軽にお問合せください。

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