切削加工の2本柱!旋盤加工とフライス加工を解説

その他金属加工の基礎

2021/03/30

ある材料から目的の部品に加工する場合は一般的に、厚さのある材料には切削加工・研削加工などの除去加工、薄い板材にはプレス加工などの塑性加工が行われます。この記事では切削加工の内、最も基本的で良く用いられる旋盤加工とフライス加工について解説します。これら以外にも切削加工は多々ありますが、この2つの加工方法について知っておくことで、切削加工全般についても理解を深めることができるでしょう。

旋盤加工とフライス加工

旋盤加工とフライス加工は代表的な切削加工
切削加工とは工具(刃物)を用いて、金属やプラスチック、木材など様々な材料を削り、目的の形に加工する方法です。母材から切りくずとなる部分を取り除く「除去加工」という分類の加工法になります。切削加工では工具と材料を相対的に運動させることで工具が材料を削り取ります。
工具と材料を相対運動させる場合に、工具もしくは材料のどちらかを回転させると高速で能率の良い加工ができます。旋盤加工は旋盤という設備を使用し、材料を回転させて工具を送り接触させて加工する方法フライス加工はフライス盤という設備を使用し、工具を回転させて固定した材料を送りながら当てて加工する方法です。

旋盤加工は丸物の加工が得意

旋盤を構成する要素は、材料をチャックして(掴んで)回転させる主軸、切削工具を移動させる刃物台です。補助的に材料の振れを抑えるための心押し台があります。旋盤加工は材料を回転させて加工するため加工された部分は円柱や円錐または、球面形状で仕上がります。幾何学的に表現すると、回転軸に直角な断面の形状は円になります。単に丸い形状の加工だけでなく、外径にねじを切ったり、内径にタップ加工したりすることも可能です。

丸い形状の加工では他の切削加工と比べて、仕上がりの真円度は高く、例えば外径と内径を加工した場合に振れが小さい製品ができます。また工具の位置を変えるだけで直径を調整できるため、寸法精度を高めやすい加工法です。以上のことから旋盤加工は、シャフトなど回転部分に使用される部品に適した加工法と言えます。

逆に平面の加工は苦手です。例えば旋盤で円柱の側面に平面加工することは難しく、フライス盤で加工することが普通です。旋盤では回転軸に直角な面のみ平面加工が可能です。

旋盤にはいくつかの種類があり、材料の直径、長さ、重さ、必要な加工精度などに応じて使い分けます。旋盤というと材料を横向きに取り付けて加工するイメージが強いですが、縦向きに取り付ける種類の旋盤もあります。立旋盤という重量のあるワークに向いた旋盤で、重力の影響を受けにくい特徴があります。

旋盤で加工精度を高めるためには材料を主軸にチャックする際の心出しが重要になります。円筒状の材料であれば3つ爪チャックというものが良く使用されます。材料は必ずしも円形をしている必要は無く、4つ爪チャックで把持可能ですが心出しに手間がかかります。量産を見据えた加工の場合は初期費用がかかりますが、専用チャックを用意することで1個あたりの加工時間を短縮できます。

使用する工具は加工したい部分に応じて使い分けます。外径、端面を加工する場合は外形用バイト、内径加工には中ぐりバイト、ねじ切りにはねじ切りバイト、切断加工には突っ切りバイトを用います。バイトには工具鋼を研いで刃先形状を作ったものとチップ(インサート)を専用のホルダーにねじ止めして使用するものがあります。研いで使用するタイプは加工する人の技量に精度が左右されるため、近年はチップを使用するタイプが主流となっています。

フライス加工は平面加工、溝加工が得意

フライス盤を構成する要素は、工具を取り付けて回転させる主軸、材料をクランプ(固定)するためのテーブルがあります。フライス加工は回転する工具を当てながら、テーブルを直線的に移動させて材料を切削するため、平面や溝加工が得意です。

回転する主軸に取り付ける工具を変更することで、様々な形状に加工することができます。正面フライスというカッターを取り付ければ、広い面を一気に平面加工できます。一度に加工する幅が広いとそれに見合った主軸のパワーが必要になりますので、適切な直径のカッターを選定します。

エンドミルという工具を取り付ければ平面加工のほか、工具の側面を使った段加工、溝加工なども可能です。正面フライスより細かい加工が可能ですが、一度に削れる幅は狭いです。

ドリルや穴あけ用工具を使用すれば穴あけ加工も可能です。穴あけ加工はボール盤を使用するイメージが強いですが、フライス盤の方が剛性があり、位置精度が高い穴あけが可能です。

その他、専用形状の工具を使用することでT溝やあり溝と呼ばれる形状の溝加工も可能です。T溝やあり溝とは工作機械のベッドやスライド部に良く使われる形状の溝です。

材料をテーブルにクランプする方法は、テーブルに直接固定する他、角材・板材を挟むためのバイス、円柱状の材料を掴むチャックなど形状に応じた方法が選定されます。加工面の平行度や直角度を高めるにはクランプ時の位置出しの精度が重要になります。

両方の加工を組み合わせることで様々な部品の加工が可能

世の中で使われている機械は上記のどちらか一方だけの加工法でなく、両者を合わせて製作されていることが多いです。それぞれの加工法の特徴を活かし、使い分けることで様々な部品を製作することが可能になります。

設計時には加工順序やクランプ方法も考慮する

機械部品を設計する際は旋盤加工とフライス加工どちらもどのような順番で加工すると必要な精度が出せるのか、どんな工具を使用すればその形状が加工できるのか、加工時には材料のどこをクランプして加工するのか考慮することも大切です。

切削加工時には工具にも材料にも大きな力が作用するため、しっかりと材料を固定する必要があります。クランプする際の掴み代が少ないと加工中に材料が動いてしまうため、切削量を減らさざるを得なくなったり、加工ができないという問題が発生することもあります。

加工方法については加工会社に任せきりにせず、設計時に考慮することでスムーズな工程進捗、コスト削減、リードタイムの短縮に繋げられます

まとめ

旋盤、フライス盤どちらも一般的に小型から大型の部品全てに対応できる加工会社は少なく、保有する設備に応じて向き不向きがあります。加工したい部品が小型・高精度・微細なのか、大型・重量物なのかで使い分ける必要があります。

また旋盤とフライス盤の特徴を併せ持つ複合加工機と呼ばれる機種が存在します。旋盤のように材料を回転させる軸を搭載しながら、工具台にフライスカッターを搭載でき、丸物加工後にそのままフライス加工で平面や溝加工、多数の穴加工ができます。材料をクランプしたまま様々な加工ができるため加工の芯がずれずに加工できるメリットがあります。しかし、これは一般的に高価な設備ですのでどの加工会社でも保有しているとは限りません。

ワークのサイズや必要な精度に応じて、適切な設備を保有する加工工場を選定することが必要になりますが、適切な加工会社を探索するのは大変時間がかかります。『ファクトリーエージェント』は加工工場の得意な加工領域をひとつひとつ入念にヒアリングし認識しておりますので、ご相談いただければ提携している加工工場の中からお客様の依頼内容に適した工場をご紹介いたします。試作、量産のどちらでも対応可能です。まずはこちらからお気軽にお問合せください。

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