【受注者】メッキ鋼板、銅、真鍮、アルミニウム 豊富な素材と美しい仕上げ加工で製品を量産/近藤金属工業株式会社

取材・展示会

2020/07/28

近藤金属株式会社 近藤隆史社長

さまざまな材料と材質を取り揃え、豊富な在庫を有していることが強み。さらに材料、材質の特性を理解しているため、コスト、納期、品質といったクライアントニーズに最大限応える提案を素材選びから行える。
また、量産向け設備を多く保有するため、将来的に量産を見据えた素材選定、製造工程の提案、試作対応も可能という近藤金属工業株式会社の近藤隆史氏にインタビューを行いました。


 

  御社の沿革、事業内容を紹介していただけますでしょうか。

近藤様

弊社は、愛知県あま市を生産拠点とし、創業60年以上続く精密鈑金・加工会社です。
1953年に初代社長が「名三工業所」を創立し、東芝三重工場の協力工場として鈑金・プレス業務を開始しました。
1957年に「近藤金属工業株式会社」を設立、1967年に東芝三重工場の重点協力工場の指定を受け、現在に至ります。

私は三代目で、2017年に代表取締役に就任しました。業界歴は18年目(2020年現在)になります。

本社や工場は愛知県にあり、産業向けの電機関係、中でも重電と呼ばれる分野(大型の電力機器)のインバータ、変圧器 、配電盤、UPSといった製品の部品を製造しております。

他に、食品に関する分野の物では、冷蔵庫や冷凍庫のコントロールボックス、外食店舗で使用されるロースターの消炎装置があります。また、医療分野に関係する物では、コントロールボックスや医療機器を置く台などを製造しております。

 

  御社の得意分野や強みを教えてください。

近藤様

弊社の強みは生産対応できる製品の幅を増やすために、豊富な種類・材質の資材材料を取り揃えていることです。
鉄系の素材だけでなく、銅や真鍮に加えアルミといった、いわゆる色物(イロモノ)と呼ばれる高価な材料等も取り扱っております。

現在の取り扱い材料(材質・板厚・寸法)の種類は鉄板系で約50種類、色物系の銅・真鍮・アルミ・ステンレスで約30種類となりますが、特に使用率の高い材料はメッキ鋼板です。

塗装やメッキを施したカバー等「キレイ」に作らなければならない製品の「表面」は、保護ビニールが貼られたメッキ鋼板を使用し、表面処理レスの提案をさせていただく事が多いです。

その理由は、最初から表面処理が施されたメッキ鋼板を使える場合、塗装やメッキ加工といった作業工程を減らせることや、納期や価格を大幅にカットできるためです。また、素材を見直すことで品質の改善に寄与することもできるからです。

メッキ鋼板はメッキが施された材料で、一度傷をつけてしまうと再生ができないため取り扱いに注意が必要です。
銅・真鍮・アルミの材料に関しても鉄やステンレスに比べて柔らかい材料のため、傷がつきやすく取扱いに注意が必要となります。

これらの素材を慎重に取り扱う事で、お客様にとって多くのメリットを提供できる可能性が高いものとなります。

このことから、業界内では「メッキ板や銅に強い会社はキレイにモノづくりをする」と言われています。そして、弊社もキレイな品物をお届けすることができます。

加工に関しては、ブランク加工・ベンダー加工・溶接加工など、すべての工程を自社で行うことにより、ロットに左右されない生産システムを可能にしました。

さらに、塗装・メッキ・脱脂・シルク印刷などの表面処理や一部の溶接や機械加工などの特殊加工に関しては、外部の専門会社の協力を得ることで、溶接、表面処理、組立まで含めた一貫生産も実現しました。
発送まで一括で請け負いますので、高品質・低コスト・迅速な納期でお客様に貢献し、取引先からも高評価を受けております。

 

工場入口から奥へとマテハンロスの無いよう、生産工程順序の機械レイアウト。

加工データをCADから曲げ加工機へ。センサーによる曲げ角度のチェック機能が搭載。

鉄板系メッキ鋼板は見間違えてしまう可能性もあるため、材料、材質カテゴリごとにラベル分けをしている。

 

  これまでや今後、力を注ごうと思っていることはどんなことでしょう?

近藤様
製造業なので職人たちの技術向上と言いたいところですが、この業界は、職人が減っているうえに、なかなか育たないという傾向にあり、職人しかできなかったものを設備で補えるよう設備投資に移行しています。

昨年(2019年)は新型の折り曲げ機も導入しました。設備投資においては、1978年に業界に先駆けてタレパン(NCタレットパンチングプレス)を導入したり、定期的に大型ラインシステムの導入や入れ替えをしたりして、合理化や生産能力の拡充を図ってきました。

もちろん職人技の追求も大事ですが、よりお客様に対するサポートの向上を徹底し、お客様の所へ通うペースを増やし、レスポンスを早め、親身に相談に乗るといった「ホスピタリティー」を重視しております。

 

  仕事を行う上で心掛けていること、気を付けていることを聞かせてください。

近藤様

製造業の中で重視される要素はたくさんありますが、弊社では特に「納期の遵守」を心掛けています。
最近は、多くの企業がコンプライアンスの問題などで納期に厳しくなっています。また、ジャストインタイムを求める声も大きくなっていますね。

自社内の工程だけでなく、協力工場も含めて必ず守れるようにするため、毎朝、現場とミーティングを行い、細かくスケジュールを調整します。少しでも遅れがあれば人員を増員するなどフレキシブルな対応をとっています。
お客様のご要望の納期やコストが難しい場合は、品質をキープしつつ代替案を提案することもあります。

 

  品質に関する考え方を聞かせてください

近藤様

CADが普及した現在、CAD上では図面が描けてしまうケースが多いと思います。けれど、実際のモノづくりの中では実現することが難しく、いただいた図面通りに作ろうとすると、かなりコストがかかる、かなり時間を要するなど、その通りに作れない物もあります。

製造前の段階で「ここが干渉してしまう」「ひずみが出てしまう」などの問題があった場合には、お客様へ相談の連絡をし「このような形状に変更できませんか?」「こういう代替案がありますが」と製品の品質を保ちつつも別の提案をすることで、他のプランも検討してもらうようにしています。
製品が加工完了した後は、検査員が寸法の抜き取りチェックを行い、OKであれば表面処理、二次工程、三次工程に進みます。
さらに出荷前も外観の確認を行い、お客様へのお届け先と弊社との距離に合わせて緩衝材の多寡等を調整、長時間、長距離の移送であっても製品に傷がつかないよう工夫し、ワンウェイでお送りしています。

全ての製品において、伝票と注番、図面番号、数量、価格の確認とともに納品しています。
また、すべての製品に対して、どの注番でいつ作ったのか、社内のシステム内で紐づけているので、トレーサビリティも万全です。万が一のトラブルが起きた際も追跡調査が可能です。

 

エスカレーター等の重要部品は、検査治具を使いながら加工やダイヤルゲージで寸法測定を行う。

制御装置に使用される導体部品。異形部分の切断や細かい部分の曲げ角度に精度が必要。

 

 

  これまでの仕事で、記憶に残っているものを教えてください。

近藤様

医療系部品の製作です。図面も何もなかったのですが、一般のお客様の目に触れる商品だったため、見た目の良いデザイン、溶接個所の美観、傷がつかないような表面処理、形状を軽くするために素材の見直しなど、実に多くの課題がありました。また、すでに発売日が決まっており、時間的な制約もありました。

それまでは、お客様(設計)から図面と仕様をもらい、「その通りの素材で、その通りの製品を作る」ということに注力しており、弊社で図面を起こしたり提案を行ったりということはなかったのですが、その案件に関しては一から図面を作り、試行錯誤の末、製品化までこぎ着けました。

すべてをイチから考え直し、モノづくり全体の立場から見た提案も経験できました。

お客様が求められているニーズにすべて応える設計はかなり難しかったのですが、ご満足いただける試作品を納品できました。
そして、最終的にはその製品が量産化されるという成功体験を得ることができました。

設計から行うことで、「見えること」「提案できること」「可能性が広がる」といったメリットがたくさんあることに気がつきました。

 

  問い合わせをする方へのお願いはありますか?

近藤様

形状、サイズ感、使用用途を教えて欲しいです。
モノづくりは、特に用途によって、内容がかなり変わってきます。

意外と見落とされがちですが、” 手に触れるもの”” 目に触れないもの”という情報も重要です。人が触る箇所の部品であれば丁寧な仕上げ・表面処理が必要です。けれど、目に見えない箇所の部品であれば表面処理は必要最低限でよいこともあります。
作り方や、そこにかける工数、素材を見直せますので、納期とコスト、品質の調整が行いやすいのです。

また、設備には加工できる大きさの範囲が決まっているので、大きさによっては社内で加工できないこともあります。サイズも重要な情報です。
弊社は量産工場ですが、量産を見据えた試作にも対応しております。

 

  ファクトリーエージェント経由でどのような案件を受注しましたか?

近藤様

食品関連の製造ラインで使用される部品、建築で使用される金具関連の製品を受注しました。
表面処理で困っているお客様に、「塗装じゃなければだめでしょうか? メッキという手法がありますよ」とか、「最初からメッキされている材料もありますよ」と提案し、喜んでいただけました。

 

  ファクトリーエージェントを利用した理由はなんですか?

近藤様

リーマンショック以降、主要取引先であった企業の量産案件が海外にシフトしてしまい、大打撃を受けました。それをきっかけに、地域の商談会や展示会に頻繁に参加しましたが、見積りにすらつながらないことがほとんどでした。

弊社では、アウトバウンド型(プッシュ型)の営業はほとんどしていないので、面識のない初めてのお客様から見積り依頼や注文をいただけるのは、とてもありがたい話です。

これまでも、この先も「メーカー様と私達の架け橋になっていただける存在」と私は思っております。

 

  この先の展望を教えてください。

近藤様

弊社は、創業時から今日に至るまでBtoB分野での活動がメインでした。
しかし、コロナ禍のような想定外の状況を体験したことで、今までとは違う取り組みも考えないといけないと意識しました。
まだまだ企画の段階ですが、今までの活動から得てきた技術や考え方をベースに、BtoC分野への挑戦を視野に入れて、個人のお客様に提供する商品を開発したいと考えております。面白い商品を作り上げ、提供できるように頑張りますので、ぜひともご期待ください!

 

◆おわりに

職人技から設備力への転換! BtoC分野への挑戦! そして何より、ファクトリーエージェントの導入といった、新しいことへのチャレンジや取り組みを積極的に行うことで、それまでになかった価値の創出や可能性をたくさん産み出す経営者だと感銘を受けました。

また、設備やサービスの拡充、新しい技術の蓄積に注力されておられるようでした。

近藤金属工業様の新しいチャレンジにファクトリーエージェントが貢献できるよう、今後ともサポートしてまいります。


◆基本情報

代表者名 近藤隆史
従業員数 28名
創業年度 昭和28年4月
住所 〒490-1114 愛知県あま市下萱津新替998

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