表面処理とは?種類や方法について解説!
2020/01/09

「表面処理って何だろう」 「表面処理をしたいけれど、何から手をつけたらいいか分からない」 こういった悩みを抱えてはいませんか? 表面処理とは、材料の表面に行う加工のことで、強度や耐久性などを高めるメリットがあります。 この記事では、以下の3つの解説を行います。
内容を知っておけば、表面処理を行う際に、適切な方法を選んで無駄な費用を削減できるようになるでしょう。表面処理とは
表面処理とは、金属や木材などの表面に行う加工方法です。主に強度や耐久性などを高める目的で行います。表面処理の代表的な例としては、「金属のめっき加工」や「外壁材の塗装」などが挙げられます。
表面処理で出来ること
表面処理は、保護性能の向上や装飾などを目的としても使用します。
表面処理によって向上する性能の例には以下があります。
- 耐摩耗性
- 潤滑性
- 強度
- 耐衝撃性
- 電気伝導度
- 熱伝導度
- 耐食性
- 耐薬品性
- 耐熱性
- 密着性
多数の機能を加えることが出来る表面処理は、材料の性能を向上する上で重要な役割があるのです。
表面処理の流れ
表面処理の方法は材料によって異なります。
例として、プラスチックの加工手順を以下に挙げます。
- 脱脂
- エッチング
- 触媒付与
- 化学めっき
- 各種めっき
- 後処理
- 乾燥
正しい手順で加工しないと失敗しますので、材料ごとに適した処理手順を事前に確認しましょう。
また、表面処理を外注する場合は大体以下のような流れになります。
- 外注先に見積依頼や技術相談をする
- 外注先から見積書が届く
- 見積書を確認して外注先に注文書を発行する
- 外注先が表面処理を行う
- 受け取った納品物を検収する
表面処理の技術が自社になかったとしても、外注であれば上記のような手順で簡単に加工が出来ます。
表面処理の種類とやり方
表面処理の種類には「めっき」や「塗装」、「アルマイト」などがあります。
利用することが多いと考えられる上記3つの処理方法について、特徴とやり方、メリットを解説します。
めっき
「めっき」とは、材料の表面を薄い金属膜で覆う加工方法です。
材料をさびにくくするほか、耐食性や装飾性を高めるメリットがあります。
めっき処理が可能な材料には以下があります。
- 金属
- 箔(紙のように薄い金属)
- セラミック
- ガラス
- プラスチック
- 粉状の物体
身近にあるものなら基本的にめっき処理が可能です。
めっき処理の手順は材料によって変わりますが、銅や鉄鋼などの金属めっきの場合は以下のようになります。
- 脱脂
- 酸洗浄
- 表面活性
- めっき処理
- 後処理
- 乾燥
材料に適した手順を事前に確認しておきましょう。
塗装
「塗装」とは、材料の表面を塗料で覆う加工方法です。
材料を汚染と腐食から守るほか、装飾性を高めるメリットがあります。
塗装処理が可能な材料には以下があります。
- 金属
- 木材
- コンクリート
- モルタル
- ALCパネル
- ケイ酸カルシウム板
- プラスチック
- 紙類
- 革製品
代表的なものとして、金属塗装は、表面をきれいに見せつつ、金属をさびから守る役目があります。
塗装処理の手順は材料や製品の用途によって変わりますが、車の塗装の場合は以下のようになります。
- 前処理
- 電着工程
- 焼付
- シーラー
- 床裏塩ビ工程
- 中塗り
- 焼付
- 研磨
- 上塗り
- 焼付
同じ材料でも用途によって塗装方法は異なります。用途や材料に適した手順を事前に確認しておきましょう。
アルマイト
「アルマイト(陽極酸化処理)」とは、アルミニウムを電解処理して生成された酸化物で表面を覆う加工方法です。アルミニウムは酸化した被膜によって保護されるため、内部がさびにくいと考えられています。
アルマイトには以下の5つの性能を高めるメリットがあります。
- 耐食性
- 耐摩耗性
- 美観性
- 絶縁性
- 放熱性
アルマイトによる表面処理が可能な材料は「アルミニウム」です。
主に以下の用途で使用することが多いです。
- 精密光学部品
- 医療機器
- 車
- 輸送機器
- 治具
- 電子機器
- 照明
- 食品製造装置
アルマイトによる処理の場合、塗装のように表面が平らになってしまうことはありません。
材料の凹凸に合わせてアルマイトが施されます。
アルマイトの手順は以下のようになります。
- アルミ製品を電解液に入れる
- 製品に電極をつないでプラスの電気を流す(同時に陰極にも電気を流す)
- 電気分解によって表面が酸化する
アルマイトは、弁当箱や鍋など日常的な製品でも使用している身近な技術です。
表面処理を行う上での注意点
表面処理は耐食性や防さび性などを高めてくれますが、製品との相性が悪いと逆効果となることもあります。
表面処理をする際は、以下の点に注意してください。
- 利用する表面処理と基材(製品の材料)の相性は悪くないか
- 利用する表面処理によって基材が劣化しないか
- 製品の表面状態は利用する表面処理に適した状態になっているか
- 製品の形状は利用する表面処理に適した状態になっているか
- 利用する表面処理は製品の使用環境に適しているか
- 表面処理によって得られる効果はコストパフォーマンスに優れているか
上記を無視して表面処理をすると、製品が破損したり過剰なコストがかかったりして損失をかぶるでしょう。
まとめ
表面処理には、耐久性や装飾性を向上させるメリットがあります。
適切に利用できれば製品の品質を高められるでしょう。
しかし、表面処理の種類は非常に多いため、製品に適した方法や適正な価格を判断するのは難しいです。
表面処理の情報を探すのに膨大な時間と人材を割かないためにも、『ファクトリーエージェント』で相見積もりを取ることをおすすめします。
ファクトリーエージェントに依頼すると、一度の申し込みで3社程度から見積もりが取れるため、最適な表面処理の方法や価格を判断しやすくなります。
表面処理の方法や価格でお悩みの場合は是非ご相談してみてください。