レーザーカットとは?特徴や加工機の種類をまとめて解説!

板金加工の基礎

2021/03/19

レーザーカットは、金属加工でよく使われる加工方法です。金型や工具を必要とせずに、金属を複雑な形状に切断することができます。この記事では、金属加工の専門家がレーザーカットのメリット・デメリットなどの特徴や加工機の種類、レーザーカットできる材料や注意点について徹底解説いたします。

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レーザーカットとは?


レーザーカットとは、レーザー光を照射して金属などの材料を求める形状に切断したり、穴をあけたりする加工方法です。レーザー光は極めて強いエネルギーを持っており、熱によって材料を溶かしながら加工します。

レーザー加工をしたものがそのまま製品になることもありますが、板金加工における展開形状を作るためにもよく活用されています。

レーザーカットを行う際は、材質や板厚、加工したい形状、加工する順番などの情報をプログラムとして専用のレーザー加工機に登録します。あとは、材料をセットしてスイッチを押すことで、レーザー加工機が自動で動いて加工が行われます。

レーザーカットで製造できる代表的な製品

以下の写真は、レーザーカットで製造されている代表的な製品です。レーザーカットによって、複雑な外形形状や穴形状でも加工できることがよく分かるのではないでしょうか。また、レーザーカットでは金属以外の材料も切断できます。例えば、アクリル板を切断したり、刻印するのにもレーザーカットが使われることがあります。

展開形状 プレート
パネル アクリルパーツ

レーザーカットの原理

レーザーは英字で書くと「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」で、日本語に訳すと「放射線の誘導放出による光増幅」という意味です。気体分子や固体のなかにある電子をエネルギーの高い状態にしておき、光の往復などによって増幅させることで、極めて高いエネルギーを持ったレーザー光が作られます。

レーザー加工機は、レーザー光を作る発振器を内部に持っており、発振器から放出されたレーザー光が集光レンズによって収束されて、材料に照射されるという仕組みです。

集光レンズには焦点距離があり、焦点距離の設定によって切断面の品質が変わります。レーザーカットを行うときは、加工する材料の特性や板厚に応じてレーザー光の出力や焦点距離を調整し、最適な加工条件を割り出す必要があります。

加工条件はレーザー加工機にあらかじめプログラムされているのが一般的ですが、より高品質にレーザーカットするためには、加工工場の経験とノウハウが必要です。

レーザーカットのメリット・デメリット

レーザーカットは、プレス加工や切削加工といった加工方法と比較しても優れた特徴を持っています。一方で、デメリットも当然存在しますが、レーザー加工機のスペックによっては当てはまらないものもあるので、理解しておくようにしましょう。

メリット

  • 適切な条件で加工をすれば、ダレやバリが少ない良好な切断面が得られる
  • 非接触で加工するため、材料の変形やクラックを抑えられる
  • 金型や工具を必要としないため、イニシャルコストを抑えて加工ができる
  • 形状の自由度が高く、複雑な形状でも加工ができる
  • 材料の硬さの影響を 受けずに加工ができる
  • 金型を使わないため打ち抜き音がしない

 

デメリット

  • プレス加工やタレパン加工に比べると、加工に時間がかかる傾向にある
  • レーザー加工機の能力によっては、厚板材料の加工が難しい場合がある
  • レーザー加工機によっては、銅やアルミなどの反射率の高い材料は加工が難しい場合がある
  • 条件によってはレーザー光の熱によって切断面付近が変色する

レーザー加工機の種類


レーザー光は、レーザーを作るために使用される媒質の種類によってさまざまな種類に分けられています。ここでは、金属加工向けでよく用いられている3種類のレーザー加工機について紹介します。

CO2レーザー

CO2レーザーは、炭酸ガスを使った気体のレーザー光線です。発振器内で二酸化炭素、窒素、ヘリウムを混合してエネルギーを生み出します。加工できる材料が多いことと、他の方式に比べて安価なことから、CO2レーザーを用いたレーザー加工機が最も多く普及しています。カットだけでなく彫刻、マーキングも可能です。ただし、アルミや銅などの反射率の高い材料の加工には不向きです。

YAGレーザー

YAGは、イットリアム・アルミニウム・ガーネットで構成された結晶のことを指します。YAGレーザーは、YAGを使った固体のレーザー光線です。金属のレーザーカットの用途で使われることは比較的少なく、溶接や彫刻、マーキングの用途でよく使われています。YAGレーザーによる溶接は、薄い素材でも熱影響による変形や歪みなどが比較的少ないため、溶接ビード幅が目立ちにくく美しいという特徴があります。このため世間では医療での用途がより一般的かもしれません。

ファイバーレーザー

ファイバーレーザーは、光ファイバーを媒質に用いた固体レーザーです。彫刻はもちろん、高出力のため、アルミや銅などの反射率の高い金属材料でもレーザーカットできます。また、加工スピードは他の方式に比べると高速です。比較的新しい方式のため加工機自体は高価ですが、他のレーザー方式の課題を克服している部分も多く、今後普及していくと考えられています。

レーザーカットができる材料

製造現場では、さまざまな金属材料がレーザーカットによって加工されています。レーザーカットができる材料の種類と、レーザーカット時の注意点を紹介します。

レーザーカットできる金属材料で代表的なものは鉄とステンレスです。加工と入手のしやすさから、あらゆる用途で利用されています。多くの加工会社が対応できる材質といえるでしょう。

レーザーカット時の注意点は、穴がテーパー形状になりやすいため、板厚が厚いほど入口と出口の寸法差が大きくなることです。場合によっては、レーザーカット後にドリルやリーマによる追加工が必要になります。また、ステンレスをレーザーカットした場合は、ドロスと呼ばれる溶融物が材料の裏面に付着しやすいため、後で除去しなければならない可能性があります。

他にも、銅や真鍮などの銅系材料や、アルミもレーザーカットができます。銅やアルミはレーザー光を反射しやすいためレーザーカットがしづらく、反射によって加工機を痛めることもあるのでレーザーカットには不向きだと考えられていました。しかし、現在ではファイバーレーザー加工機の登場によって、銅やアルミでも問題なく加工できるようになってきています。

銅やアルミのレーザーカットは加工会社によって対応可否が分かれるため、事前に確認する必要があることを覚えておきましょう。

レーザーカットを依頼するときの注意点

レーザーカットで加工できる形状や材料は、加工会社のノウハウやレーザー加工機のスペックに大きく左右されます。加工可否を判断するためには、次の5つのポイントを抑えておくと良いでしょう。

  • 材質
  • 板厚
  • 製品サイズ
  • 最小の穴径
  • 寸法公差

レーザーカットでは、材質と板厚がカットの速度と品質に大きく影響することが多く、加工会社は得意とする材質や板厚の範囲がそれぞれ決まっていることが多いため、どれくらいであれば対応できるかを加工会社から提案してもらうのもおすすめです。

まとめ

この記事では、レーザーカットの概要やメリット・デメリットなどの特徴、レーザーカットの種類などについて紹介しました。この記事を読んで、レーザーカットについての理解を深めていただけていたら幸いです。

レーザーカットは、レーザー加工機を保有していなければ実施できない加工方法です。また、加工会社のノウハウや保有しているレーザー加工機のスペックにも大きく左右されます。『ファクトリーエージェント』は、発注先選びや相見積もりが簡単にできるサービスですごとの得意な材質や板厚・製品のサイズを把握していますので、レーザーカットの発注業務をスムーズに行うことが可能です。提案力のあるサプライヤーから用途に合った技術や設備を持った加工会社を選択することができます。まずはお気軽にご相談ください。

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